山村の自立を求めて | わくわく奥会津

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5.人間も自然の一部、体内も小さな宇宙、田んぼを取り巻く自然

 

何故、無農薬なのか。田んぼに隣接するお家に小さな子供がいたから、自分の子供にも不自然でない食べ物で育てたかったから。しかし別の仕事をしながら年に3~4回、手取りを繰りかえさなければならないことを考えると1反歩が限界と思う。でも田んぼで花見が出来るとは思わなかった。

H29.6/21 こんな機械、見たことあるだろうか、田植から1ヶ月後のコロバシ作業。

今は乗用もモーター付きもあるが、手作業が確実。1反歩の自給時代は昭和57年設立した有機農業友の会(今は無し)の流れから完全無農薬、除草剤無しでコロバシの後、這いつくばって3~4回手取り除草をしていた頃は米がお陽さまの香りを感じていた。さすがに面積が増えたので除草剤1回だけ振っている。

でも、昨年4年かけて起こしたビオトープ田は除草剤を振れなかったためクサネム等が大発生し、手で抜いた本数は軽トラ3台になった。

一人でやっていると情けなくなってくるが今年は応援を得て、バシャッ、バシヤッと小気味良い4重奏。本当はカンカン照りが良いのだが雨と汗で下着までぐっちょり。今年は全面積1町歩をかけたことになる。

コロバシは①雑草を漉き込む、②有機質等のガス抜き(硫化水素、メタンガス)、③根切りで新根を促進、④根に酸素供給や温かい水を送り込み発根促進、肥料の吸収促進効果があるといわれる。また、田んぼ全体を歩くことで苗の生長や健康状態を確認できる。

確かにかける前と後では苗が立派で堂々と見えるから不思議だ。

H29.5/29 アオガエルの巣 メスが白いネバネバした泡を口から吐き産卵する。土手の水辺近くにたくさんある。

H27.6/16 初夏にはアブノメの花だろうか

H29.7/25 村のど真ん中の田だがタニシがわかるだろうか?

H29.9/1 ビオートープ田を今年は排水溝・余計掘りしたが乾湿がまばらで排水が悪いところにタニシが棲息。

ネット(雑魚の水辺)で検索してみたら、タニシにもヒメ、マル、オオタニシと3種類いることがわかった。

この田はマルタニシで水質汚染に弱いが他よりも美味しく古老はかつて貴重なタンパク源として食べていたと言う。他の田にも棲息。

春の田起こしをしているとドジョウが浮くがすぐに土に潜り写真を撮る暇はない。

水がなくても生きている生命力には驚かされる。同様にネット検索してみたらドジョウの種類も他に8種類出てきた。昭和60年頃、圃場整備後、区画が大きくなった田に皆が除草剤を使ったため、多くの田でたくさんのドジョウが浮いた光景が忘れられない。ドジョウ取りは子供の仕事で実際に食べていた。

これらの田の水利、大谷川についても触れておきたい。

H26.8/5 巡検使料理を再現するために息子が採取してきた「かじか」。

この他も岩魚、山女がいると思いH29.8/6、先輩とカジカ突きに川に降りたら1匹を確認したのみで、メジロ、アブに襲われ早々に退散。台風やソバ撒きなどの日程調整と場所、時間の詰めが甘かった。

H29.9/1 コナギは秋にこんな可憐な紫色の花が咲く

H29.9/1 オモダカも秋に白い可愛い花が咲く。

他にもタウコギ、イボクサ、ヒエ等々あるが省略し手ごわいものを掲載する。

H28.9/16 昨年だがうっすらとだが、緑の草が点在しているのが見えるだろうか。

ドジョウを思い、除草剤を扱うお店で聞いてみたら「ドジョウに聞いてみないとわからないと言われ」撒けなかった。そうクサネムが繁茂した。

H28/9/17 除草剤を使わなかった結果、クサネムを軽トラ3台分抜き取り圃場外へ捨てた。

H29.9/1 クサネムのさやの中の実をこぼすと再生する

H28/10/16 それで籾にクサネムも実が混入してくる

H28/12/11 精米してもクサネムは抜けない。

出荷米は玄米に調整する段階で色度センサーを使い、抜いてもらわないと1等米にはならない。

H26.7/25 村で一番大きな田はソバや菜種などに転作された後数年間放置されていたものを起こした。

全くの無肥料で作付けしたのだが分結も良くいい出来だと褒められていたが、いもち病が発生。「全滅するぞ!!」と注意され止む無く粉剤にて消毒を1回行った苦い経験。

今年も、NPO会員が二人、遊休農地化した田を起こし田植したが、悲しいことに予想通り同じようにいもち病が発生した。

H28.10/14 昨年のビオトープ田 全体の排水溝が泥に埋まり田面より高くなっているため乾かない。よって手刈り。

倒れた稲の上でタニシが昼寝していた。

H28.10/17 NPO会員で昨年から協働で所有するコンバインによる稲刈り作業。

H25.10/9 天日干しのサデ(ハザ)掛けはH27を最後に大谷集落からは見られなくなった。

H27.1/13 「森 光 水」展覧会は1/24まで春から秋まで汗を流した田んぼの上で

雪とともにその結晶のように開催され、村で唯一人の小学生が「カッコいい」と叫んだ。

H27.1/13 水車をイメージしての作品群等々は筑波大学CRプロジェクト、NPO会津みしま自然エネルギー研究会、

NPOわくわく奥会津、大谷地区、三島町教育委員会他、多くの方々のご協力で達成された。

どうか本年の稲刈りが豊穣となるよう、またそれを基盤とした消費者との分かち合いを始め農の六次化、アートへの活用に結実されることを願わずにはいられない。